有名だけど、ちゃんと読んだことがない本、というのが多数あります。この「アンネの日記」も、そう。説明するまでもないですが、第二次世界大戦中、ナチスから逃れるために隠れ住んだアムステルダムの家で、アンネ・フランクが空想の友達、キティーに向けて書いた日記です。手紙スタイルの日記なので、まるで自分に語りかけているように感じるのも、たくさんの人を魅了する理由のひとつだろうと思います。
日記は13〜15歳の間に書かれたものですが、亡くなったのも15歳です。あんなにも平和を願い、希望に満ちていた日記を書いたすぐあとに亡くなってしまったことが、ひどく悲しい。あと1か月生きていたら、解放されたのに...。家族のなかで生き残ったのは、お父さんだけでした。
アンネが死んだあと、何バージョンもの「アンネの日記」が発刊されていますが、この「完全版」ですら“完全版”ではありません。でも、発刊されているなかでは、一番原書に近く、よりアンネのことがわかる内容になっているそうです。
私がこの本で好きなのは、カバーをとったときのデザインです。紺色に、金色のタイトル、そしてスミでさりげなく描かれた、隠れ家のイラスト。この隠れ家は今もアムステルダムに残っていて、現在は博物館として公開されています。
アンネのことをよく知るには、映画「アンネ・フランク」もおすすめ。最後のお父さんの表情がなんともいえません。あと、「フリーダム・ライターズ」を見ると、日記を読みたくなると思います(私がそうでした!)。
*motoco